相続対策を、ぶっ壊す

よし、完璧だ。

完璧だと思った相続対策ほど、後からひっくり返されないように、慎重に取り組みましょう。

予想ができれば、逆にその部分をしっかりとおさえておけばいいものです。

せっかくつくった相続へのそなえが、思ったとおりの結果にならなかったのでは、もったいないことです。

遺言無効確認の訴え

遺言書があっても、争いになることはあります。

遺言書のおかげで、不利な扱いを受けることになった他の相続人としては、一矢報いたいという気持ちになることもあるでしょう。

公正証書でつくった遺言であっても、遺言作成当時、認知症などで判断能力が低下していたり、一部の親族にそそのかされて作成したものであったりと、その遺言書が無効であると主張されます。

自筆の遺言であれば、判断能力の有無のほか、遺言の形式が法律に違反している、筆跡が違う、病気で手指が不自由であったから書けたはずがないなどの主張となります。

遺留分侵害額請求

遺言書をつくったとしても、他の相続人の取り分をゼロにすることができない場合があります。

配偶者、子、親には、遺留分があり、法律で最低限度の取り分が保障されています。

なお、兄弟姉妹、甥姪には、遺留分はありません。

遺留分侵害額請求は、最低限の遺産がもらえなかった相続人から、他の相続人に対して、金銭で請求することができます。

もめごとにならないように、最低限、遺留分に配慮した遺言書を準備することとなります。

信託に関する訴訟

最近では、家族信託を活用して相続や事業承継に備える方が増えております。

信託は、その目的に沿って、将来のことを計画して組み立てるものですが、安直に、財産隠しや脱税のために利用してはなりません。

また、信託契約は、信託の目的を達成したとき、または信託の目的を達成することができなくなったときに終了すると信託法に定められており、相続で不利な扱いを避けるために信託契約の内容に不満のある他の親族から、これにもとづき、信託を終了させようと動いてくることが考えられます。

信託の内容が、第三者の権利を侵害したり、法律違反となったりするような場合は、信託契約が無効となることがあるほか、上述した遺留分侵害額請求の対象となることもあります。

税務調査

脱税は、絶対にしてはなりません。

加算税や延滞税などがかかるだけでなく、特に、中小企業のオーナーにとっては評判、世評にかかわることで、ビジネスの継続が困難となることさえあります。

税務署は、富裕層を中心に、調査体制をととのえております。国内外の財産にいたるまで、つぶさに調査をされるほか、税務調査に来られます。

相続税を申告される割合は、全国平均では8%と言われておりますが、都市部についてはこの割合が大きく、愛知県では、約14%の方が相続税の申告をされております。

7人にひとりは、相続税の申告をしなければならないということです。

相続のそなえをはじめるときは、相続税についても、税理士に相談して、検討しておくことをおすすめします。

壊されない相続対策

大切なことは、ひとりでやらないことです。

相続対策や終活をはじめるにも、できれば家族全員で集まって、話し合ってください。

個別に話をすると、子どもたちどうしで疑心暗鬼となってしまうことがあります。

ぜひ、国家資格をもった専門家に相談してみてください。

司法書士、税理士、弁護士は、相続に関して、法律の知識のみならず、さまざまな事例を積み重ねており、有益な助言をすることができます。

元気なうちに、相続も、家族関係もぶっ壊されないように、そなえましょう。

投稿者プロフィール

司法書士 野田啓紀
司法書士 野田啓紀
昭和56年 名古屋市生まれ、京都大学法学部卒業。
大学卒業後、複数の上場企業の管理部門にて、開示業務、株主総会運営、株式事務を中心に、IR、経営企画、総務、広報等に携わる。
平成26年司法書士試験合格後、名古屋市内の司法書士事務所勤務を経て、平成30年10月、司法書士野田啓紀事務所を開業。地元密着で、相続・認知症対策のコンサルティングに注力する。
令和3年1月、愛知県内で五つの司法書士事務所を統合して、グラーティア司法書士法人を設立し、代表社員に就任する。
ウェルス・マネジメントを深めて、個人や中小企業オーナー向けに、相続、認知症対策、事業承継やM&Aに関与する。税理士、不動産業、寺社と連携し、遺言書、任意後見契約、家族信託の利用を積極的に提案している。
また、自身も、司法書士事務所の承継に取り組む。
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