司法書士の仕事は、不動産の名義変更ばかりと思われていますが、相続の場面では、もう少し広い範囲でお仕事をさせていただいております。
司法書士は、依頼を受けて、他人の財産の管理もしくは処分を行う業務をすることができるため、いわゆる遺産承継業務においても活躍しております。
中でも手間取るのは、預貯金の解約です。
相続がはじまり、すぐに取り掛かりたいことのひとつに、亡くなった方の預貯金を引き出すことです。
当面の生活費のほか、葬儀費用や入院治療費を支払わなければならないためです。
預金が凍結されてしまうまでは、ATMで少しづつ引き出すこともできますが、実はこれはおすすめしません。さまざまな相続トラブルの原因です。
現在は、遺産分割をする前でも、最大で150万円までは仮払いをしてもらえるため、裏技を使わずに、正しい手続を利用していただきたいです。
亡くなった方の預貯金の解約手続は、心身ともに、意外と大変なことが多いものです。
まずは、亡くなった方の戸籍を収集して、法定相続人を確定させるところから始まります。
その後は、金融機関ごとに、手続の進め方が異なりますので、支店の窓口やコールセンターの担当者と打ち合わせをしながらとなります。
残念ながら、窓口の担当者が相続手続にはあまり精通しておらず、誤った案内や不十分な説明を受けたために、書類の補充や書き直し等、出直しを求められることもしばしばあります。
窓口に書類を提出してから、内部で点検やコピー作業があるため、1時間以上、店舗で待たされることもめずらしくありません。
平日の昼間にお休みをとって出向いたのに、前もって電話で何度も確認したのに、それでも毎回違うことを言われて困惑した、などといった怒りの声が聞こえてきます。
金融機関には、お客様に何度も店に足を運ばせても、悪いとか気まずいとか思わない性質の方がいるところなので、この体質が変わることはないでしょう。
こちらは、ある程度、金融機関ごとの性質や、手続に必要な書類等は把握しておりますので、円滑に担当者とやりとりをすることができます。
また、おまかせいただくことで、平日にお休みをとっていただくことなく、仕事にも差し支えることはありません。移動手段がなかったり、足腰に不安があって出向くことが難しかったりされる方でも、安心して手続を進めることができます。
日中お忙しい方、何度も足を運んで嫌な思いをされた方は、預貯金の解約の事務について、司法書士にご依頼いただきたいと思います。
投稿者プロフィール

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昭和56年 名古屋市生まれ、京都大学法学部卒業。
大学卒業後、複数の上場企業の管理部門にて、開示業務、株主総会運営、株式事務を中心に、IR、経営企画、総務、広報等に携わる。
平成26年司法書士試験合格後、名古屋市内の司法書士事務所勤務を経て、平成30年10月、司法書士野田啓紀事務所を開業。地元密着で、相続・認知症対策のコンサルティングに注力する。
令和3年1月、愛知県内で五つの司法書士事務所を統合して、グラーティア司法書士法人を設立し、代表社員に就任する。
ウェルス・マネジメントを深めて、個人や中小企業オーナー向けに、相続、認知症対策、事業承継やM&Aに関与する。税理士、不動産業、寺社と連携し、遺言書、任意後見契約、家族信託の利用を積極的に提案している。
また、自身も、司法書士事務所の承継に取り組む。
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